碁盤・将棋盤を調べると出てくる「柾目」と「板目」。

字面の似ているこの2つ。一体なんなのでしょうか。

「柾目の方がいいものなんでしょ?」

「板目の盤は良くないの?」

「柾目の方がいいなら、なぜ柾目だけ作らないの?」

という疑問を、すっきり解消したいと思います!



はじめに 盤の4大要素について

盤は大きく4つの要素でわけられます。

  1. 材料・・・本榧、新榧、桂など
  2. 木目・・・柾目か板目か
  3. 厚さ
  4. 脚付・卓上

材料は、本榧が最高とされ、他にも新榧や桂などがメジャーです。

脚付か卓上かはご使用の用途により選びます。
卓上盤は3寸くらいまでで、それより厚い盤は脚付盤のみになります。

そして、今回のテーマである木目は、柾目・板目では価格が大きく違います。
柾目・板目の違いと、それぞれの特徴をみていきましよう。


柾目と板目の特徴

柾目と板目の違いをまとめると下記のとおりです。

柾目(まさめ)

  • 木目が天面から見て平行。天面も裏面も柾目なものが「天地柾(てんちまさ)」
  • 反りにくい。
  • 価格が高い。

板目(いため)

  • 天面にいわゆる「板」の木目が見えるもの。
  • 丸太の状態で皮目が天面側のものを「木表(きおもて)」、丸太の中心が天面側のものを「木裏(きうら)」
  • 柾目より反りやゆがみが出やすい。
  • 価格が安い。

見た目の違いだけでなく、性質も異なります。
では、なぜ板目の盤ができるのでしょうか。


柾目と板目 違いは原木の切り分け方

盤はもともと、1本の大きな木(原木)から切り分けて作られます。
その際、柾目の盤をとるには天面の3倍以上の直径が必要になります。

本榧だと、200年とも300年とも言われる長い年月が必要になるのです。
その点、板目は柾目ほどの大木でなくても作ることができます。

希少価値があり、より需要のある柾目盤は高価になるというわけです。


桂と新榧の木目について

では、素材別にみていきましょう。


新榧は「柾目」

前述したように、柾目は大木からとられます。
新榧は北米産の木(スプルース)で、大きいものでは高さ60m以上、直径1.8m程にもなります。
大木を輸入できるため、新榧盤は柾目がほとんどです。


本桂は「板目」

桂は?というと、桂は主に北海道~東北に自生する日本の木です。
こちらも新榧に負けないくらいの巨木ですが、年々数を減らしており、盤のとれる大きさの木もなかなかなくなってきてしまいました。
そのため、本桂盤は板目がほとんどです。


まとめ

「柾目」と「板目」、それぞれの特徴を簡単にご説明しました。
柾目の方が、一般的に見栄えはいいですが、板目は一面一面とても個性的で、唯一無二。
先入観にとらわれず、ぜひ直接ご覧になって、お気に入りを見つけていただければと思います。

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