【お手入れ】碁盤・将棋盤のメンテナンス
良い盤は、子供・孫の代まで代々大切にされているご家庭もあるかと思います。
今回は、より良い状態で、長くご愛用いただけるためのメンテナンスのお話です。
購入したら:天面を乾拭き
お手元に届いたら、最初に天面のみ乾拭きをしてください。
お店側が状態よく保管するために、表面に白ロウが塗られているからです。
盤が空気・湿気に触れると割れやヒビの原因になるため、昔から白ロウで保護をするという手法で作られてきました。
大切な役割のある白ロウですが、碁石・将棋駒を汚す原因にもなってしまうため、天面だけ優しく乾拭きしてからご使用ください。
日々のお手入れ:対局は手洗いから
まず、対局前には手を洗い、綺麗な手で使用することが大切です。
これは、盤に限らず碁石や駒にも大切なことなので、気を付けるようにしてくださいね。
使い込むことで良い艶や味がでてくると言われますが、手の油や汚れが一度ついてしまうと、黒くくすんだりシミになることがあります。
ただし、消毒用のアルコールには注意してください。
手に残った状態で使用すると、蝋が溶けてしまいます。
ご使用後は木綿などの柔らかいクロスで乾拭きしてください。
使い古したTシャツを手頃な大きさにカットして使っていただくのもおすすめです。
汚れがとれない気がしますが、だからと言って水拭きは厳禁。
カビやヒビの原因になります。
特別なお手入れ:年に一度保湿をする
木製品である盤は、永く使うと乾燥して艶がなくなってきます。
年に一度を目安に、ワックスやオイルで保湿をして、艶をとり戻しましょう。
手順 3ステップ
- 日々のお手入れと同様のクロスに、オイルを1滴含ませます。
- クロスによくなじませて、盤を軽く磨いていきます。
- 乾拭きで余分なオイルを取り除き、仕上げます。
側面・裏面の白ロウがしっかり残っていれば、オイルでのお手入れは天面のみにしてください。
こちらの中古盤は、全面白ロウがとれて乾燥しきっていました。
オイルで磨いていきます。
ハンドタオルで拭いています。
before(左) とても乾燥が進んでいます。
after(右) 少し多めのオイルを使って磨くと、油分がぐんぐんしみ込んでしっとりしました。
注意
- 乾燥具合にもよりますが、大体一面に1滴ほどを目安にしてください。
オイルが多すぎるとべたつき、駒や碁石にもよくありません。 - 強くこすらないでください。
強く拭きすぎてしまうと蝋がとれてしまい、盤によくない状態になってしまいます。
ヒビや割れなどの原因にもなるので、優しく拭いてください。 - 直射日光の当たる場所
- 寒暖差の激しい場所
- 湿気の多い場所
ワックスとオイルの選び方
ワックス・オイルの効果は、どちらも油分を与えて艶を出すというものです。
ワックスとオイルの違いは、おおまかに言うと固体か液体かというところです。
ワックスは、気温によって固さが変わり、慣れないとムラになりやすいため、はじめはオイルがおすすめです。
当店の【榧オイル】は国産の榧の実から抽出したオイルで、ほんのり本榧の香りもします。
本榧盤はもちろん、他の素材の盤や将棋駒、碁石(黒石)のメンテナンスにもご利用いただけます。
保管方法
桐覆いをかぶせて大切に保管するのがおすすめです。
湿気を調整し、ほこりの付着や当たり傷から守ることが出来ます。
避けるべき場所
見落としがちなのが、押し入れの中です。
押し入れの中、特に下段は湿度が溜まりやすいので、長期保管に向きません。
まとめ
日々のお手入れと特別なお手入れで、盤の寿命は大きく変わってきます。
なんだか美容のお話みたいですが、何事も日々の積み重ねです。
少し手をかけて、長くご愛用頂けたらと思います。
それでも気になる汚れがついてしまったり、目盛が剥げてしまったときは、当店でリペアできますのでお気軽にお問い合わせください。