将棋駒の現代作家・熊澤良尊先生の工房へ【2】
今回、「特別な盛上げ駒が欲しい」というお客様のご要望の打合せで伺いました。
ご存知の通り、将棋駒は盛上げ、彫埋め、彫駒の順で高級とされています。
そして、同じ「盛上げ」でも価格差が現れるのが木地になります。
駒木地は本つげが最もよいとされ、
木目で「柾目」「杢(もく)」、杢の中でも「クジャク杢」や「虎斑(とらふ)」などなど、
模様の入り方で名前も変わってきます。
珍しい模様程、模様の入り方が同じような1組、余り歩込みで42個を集めるのは非常に気の長いことです。
先生方は、それを1つ1つ集められて、やっと貴重な作品が作れるベースができるのです。
特に、「クジャク杢」「稲妻杢」と呼ばれる、扇形に広がる杢はレア中のレア!
1組そろえるのに10年以上かかることもあるとか。
「どれがいいですか?」
と、先生が出してくださったのは、3組のクジャク杢。
まさか選べるとは思っていなかったので、お客様に比較していただく写真を撮らせていただきました。
すごいです。神々しさが。
先生に「理想の駒はどんなものですか?」と伺いました。
「今の駒は、字母紙を写して漆で塗る、ただの塗り絵と一緒ですよ。
昔の高級駒は、子供の頃から鍛錬を積んだお公家さんの直筆で非常に美しかった。
僕はそんな駒を目指していて、数年前に作ったものをお見せします。」
そう言って、奥から大切な駒を持ってきてくださいました。
名入れでもわかりますが、先生も相当達筆です。
直書きとは・・・歩兵を同じ字体で20個作るなんて、それだけで修行のようです。。
そんなかんじで、良尊先生の駒の世界を存分に堪能させていただいた1日でした。
特注品以外にも、大石天狗堂・別館の方で先生の駒が多数取り揃えております。
近々、先生の秘蔵の盤も掲載予定です♪
是非ご覧になってくださいね。