Q17 『忘憂清楽集』は最古の棋書?-2007.11.01-

『忘憂清楽集』

 現存最古の棋書として、従来から著名なのが『忘憂清楽集』です。編者は李逸民。仙人と王質(伝説上の樵)の爛柯図、後漢の武将孫策・呂範局などが収録されており信憑性が薄い棋譜もあり、いわゆる遊びか余興の域をでない部分もあります。

 北宋の微宗(在位一一〇〇−一一二五)時代の成立ですが、あまり離れていないころの棋譜なら信頼性が保たれそうです。時代はくだりますが、元代『玄玄棊經集』は、最古の囲碁百科事典とでも称すべき立派な内容の棋書。詰碁も秀逸です。

Q18 清少納言と紫式部は有段者?-2007.12.01-

図1『源氏物語絵巻』の囲碁図(宿一から)が切手になった(1989年) 図2「十帖源氏」(野々口立甫画)

 平安時代の二人の才媛が、いずれも囲碁に興じていたことは、囲碁ファンの間ではかなり知れわたってきたと思います。

 『枕草子』『源氏物語』には、それぞれ囲碁にかんする描写が随所にでてきます。そして、術語や用語の使いかたが当をえていて絶妙をきわめております。とうてい、生半可な知識とは思えません。

 同時代の二人がじっさいに対局したかどうか定かではありません。対照的な性格だったといいますから、けだし見物だったことは間違いありません。実現していれば、どちらかが日記などに書きしるしていたことでしょう。

 図1は、一九八九年(平成1)に発行された記念切手(「源氏物語絵巻」〈宿木一〉から)。〈竹河二〉とセットで発売されましたが、『源氏物語』と囲碁についてこれほど端的に、しかも抜群のPR効果が表れる方法は多くはありません。切手は「小さな外交官」と言われます。国際普及にとって、ますますはずみがついたことは勿論でした。

Q19 算砂は三天下人の師匠?-2008.01.01-

本因坊算砂

 初代本因坊算砂は三人の天下人(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)に囲碁で仕えましたが、人柄、識見が優れており”軍師”に迎えられたようです。

 算砂は京都に生まれ、八歳で得度して日海を名乗り、寂光寺の塔頭「本因坊」で修行を積みました。碁の師匠は堺の仙也。十九歳のとき、信長に召され「名人」とたたえられた話があります。秀吉主催の全国大会で二度優勝し、自他ともに認める碁界最高の実力者に。

 天下人が囲碁をたしなめば、おのずから大名や武将などが見ならうのは道理であり、囲碁は多いにもてはやされ今日の繁栄につながりました。

Q20 秀吉と家康は碁敵だった?-2008.02.01-

伝・秀吉と家康対局盤

 名だたる二人の天下人が烏鷺を闘わしたという伝承のある、碁盤が二面存在しておりました。

 一面は、水戸の徳川博物館所蔵の「舞葡萄の盤」といって、榧の木の根っ子の部分を木取りした珍しい斑紋のある銘盤です(通常は未公開)。

 もう一面は、つい先ごろまで京都の著名な寺院で公開されておりましたが、何と盗難に遭ってしまいました。平成十六年秋、日本棋院に創設された囲碁殿堂資料館のオープンに際して、ぜひ展示してほしい珍品でしたが、不届き物のため夢は破れました。

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