碁石は等級ごとに呼び名があります。
「雪印」「実用」はよく耳にしますが、それ以外の耳慣れないものだと等級がわかりにくいこともあります。


「同じ厚さなのに価格が違う・・・なぜ?」

「『花印』っていいの?悪いの?」

という方に、碁石のランクについて解説します。



はじめに 碁石の3大要素について

碁石は大きく3つの要素でわけられます。

  1. 産地・・・主にメキシコ産、日向産
  2. 厚さ・・・基本的に「号」で表します。25号~40号くらいが一般的。
  3. 等級・・・実用、雪印など

こちらの要素は、すべて白石によってランクがつけられています。
対する黒石は本那智黒石で、こちらの優劣はあまり問われません。


①産地は、メキシコと日向の2択と言っていいでしょう。
特に表記のない「本蛤碁石」と言われるものはメキシコ産になります。


現在、日向産のハマグリがほとんど採れなくなっている上、均等な厚さの180枚の碁石を作るのはかなり難しい状況です。
それ故、「幻の碁石」「碁石の宝石」なんて呼ばれることもあります。


②厚さはわかりやすく、厚いものがより高級になります。


ここまでは比較的わかりやすいのですが、問題は③等級
今回は③等級についてです。


1. 等級の種類

まずは、一覧を見てみましょう。


普段よく目にするのは、実用・雪印でしょう。
実用は文字通り実用品、雪印はいいもの、というイメージは付きやすいと思います。


注目すべきは月の1ランク下、「実用」と「花印」で呼び名が違います。
これには、等級をわける基準が違うことが関係しています。



2. 等級の基準 メキシコ貝とスワブテ貝では基準が違う

「貝目が細かいものが雪印」とよく言われますが、これは半分正解で半分間違い。
メキシコ貝とスワブテ貝では、評価基準が違うのです。


スワブテ貝は色の白さ

スワブテ貝は、本来黄味~ピンクっぽい色味です。
貝の状態で分厚いものを厚く削り出して、ようやく乳白色の碁石が取れます。
分厚い貝はなかなか採れないので、希少価値が高くなるというわけです。


そこで、より白いものを「雪印」、雪印より白くない黄味がかったものを「月印」、さらに色のついたピンクがかったものを「花印」と分けたのです。


これ、命名された方のセンスが素晴らしいですよね。
とても素敵な呼び名だと思います。


メキシコ貝は貝目の細かさ

一方で、メキシコ貝は、大きくても小さくても色は均一で純白。
ここで出てくるのが、貝目の細かさの違いです。

貝目は細かいほど美しいとされ、細かい(高級な)順に「雪印」「月印」「実用」とされています。


「スワブテ貝は貝目の細かさは関係ないのかな?」という疑問が浮かびますが、スワブテ貝はそもそも貝目が細かいので等級には影響がありません。


3. その他の等級 厳選雪印とBLUEラベル雪印 どちらが上?

「厳選雪印」と「BLUEラベル雪印」、どちらが等級が上かわかりますか?
答えは「厳選雪印」。


なぜこんなややこしい名前をつけたのかというと、当時の商売人は考えたわけです。
「同じ雪でも特別にきれいなものを集めて高く売ろう!」と。


そうやって厳選されたのが「厳選雪印」です。
「雪・月・花」を名付けられた方とは、おそらく別の方でしょう。(笑)


これらはすべて、メキシコ貝の等級になります。


まとめ

碁石の等級について解説してきましたが、いかがでしたか。
一級、二級・・・ならわかりやすいのですが、スワブテの等級には日本の美を感じられました。


余談として、中古の場合は、経年変化やお手入れ次第で等級が落ちてしまったり、等級がつけられないこともあります。
当店で販売している中古の碁石は、碁石専門店にて鑑定していただいて等級表示しております。


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